エントランスホールと照明

玄関は家の顔

リノベーションした玄関

エントランスホールは顔

マンションの印象に最も影響を与えるのがエントランスホール、通称玄関です。 ここがキレイに整備されていれば「このマンションはお手入れが行き届いていて住み心地もよさそうだね、空き部屋があるようならぜひとも手に入れて引っ越したいからお金を貯めなくちゃ。 急いでケアマネージャーの資格を取得しようっと」と見た人に思われますし、住民も誇らしい顔ができるでしょう。 でも築17年とかにもなれば老朽化も進んできますし、資産価値も低く見られてしまうので住民は鼻が高くなれはしません。 それに毎日帰宅したときや出発する時に住民みんなが目にする場所ですので、そこが古くなって汚れているとテンションも下がりっぱなしです。 このような理由で老朽化の進行したマンションはエントランスホールをリノベーションして、新築したてのようにピカピカな状態に復活させることも多くなってきました。 マンションごと建て直すには大変なお金がかかりますし、小規模なリフォームでは狭いエリアしかピカピカになりません。 少ない費用で大きな効果を得るには、マンションの共用玄関をリノベーションするのがなかなか良いアイデアとなるのです。 住民が「ここに住んでてよかった」と思えるマンションであり続けるためにも、共有する目に見える設備はしっかり管理されていることが望ましいですし、その代表なのがエントランスホールであるのです。

暗い玄関はNG

歴史の長い中古マンションほど玄関部分が薄暗くなっていますが、では明るくすれば全てが解決するのでしょうか。 答えは否で、ただ輝いていればいいほど単純な問題ではありません。 暗いと雰囲気も悪くなり資産価値も減少しますが、照明が多すぎて眼が眩むような眩しさでも居心地は悪くなってしまいます。 「新たな住民を呼び込みたいからエントランスホールを明るくしよう、1メートルおきに電球を設置してイメージカラーも白にしよう、このマンションを」との計画で 24時間光を放つような共有玄関にしてしまうと、パッと見の印象は改善されるかもしれませんが住民の心は落ち着かない物件となってしまうので注意です。 明るすぎることでそこを出入りすることに支障はないのですが、目の覚めるような光の中を毎晩帰宅時に通過するのはちょっとうんざりします。 もっと優しく出迎えて欲しい、落ち着いた雰囲気じゃないとイヤだな、といった感想が住民から苦情という形で寄せられるでしょう。 そこが住宅ではなく病院の出入り口ならば明るすぎても全く問題にはなりませんが、我が家へ帰還するルートで最後の関所となるマンションのエントランスホールが眩しすぎるのは、あまり好ましいとは言えないのです。 そこで作業をするわけでもありませんし、不必要なまでに白々しい玄関ホールは敬遠されてしまうのです。 マンションのリノベーションでエントランスホールをリニューアルするのなら、その点にも注意して下さい。

照度の計算

マンションのリノベーションやリフォームでは玄関部分を明るくしようと考えるのが常ですが、肝心なのは適度な照度です。 機能性を優先すべき場所、生徒が勉強をする学習塾の教室や歯科医院の待合室や玄関ならば全体が見渡せるほど明るいほうがいいのですが、 エントランスホールはそんなにくっきりと見えなくても困らないエリアなので、暗がりがあってもいいとの前提でリノベーションの計画を立てましょう。 その場所に合わせた照度が重要になるのです。 競技を行う体育館ですと隅々まで光が届かなくては困りますが、共有玄関なら夜間に薄暗い箇所があっても問題にはならないのです。 郵便受けやエレベーターに続くルートなど、住民や来客者の動線になりうる場所は明るくするべきですが、それ以外の部分は明るくないほうがベターです。 むしろ光と影を上手に使うことで落ち着きのある空間を演出するのです。 昼間は明るくてもいいのですが、夜間は影をもデザインに組み込むのがプロのテクニックなのでその方向でリノベーションの計画を立てるべきです。 最悪なのが昼間よりも夜間の方が明るいエントランスホールで、これでは帰宅した者の心が癒されませんし、なにより電気代が高くつきます。 必要な部分だけ明るく、それ以外の場所は控えめにと、目的のある照明計画がエントランスホールのマンションリノベーションでは大切なのです。